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神経伝達は神経系の働きに不可欠であり、シナプス前部で起こるシナプス小胞のCa²⁺依存性開口分泌による神経伝達物質の放出によって行われると理解されてきた。しかし、味覚受容を司る上皮感覚細胞である味細胞はシナプス小胞をもたないにもかかわらず求心性神経に情報伝達できることが古くから認識されていた。本セミナーでは、近年明らかとなった味細胞のもつ特殊なシナプス機構について紹介したい。このシナプスでは、電位依存性イオンチャネルの大きなイオン透過ポアが、活動電位依存性の神経伝達物質の放出経路として機能する1-4。このメカニズムはこれまで知られてきた小胞性のシナプスに対して“チャネルシナプス”とよばれる。形態学的にチャネルシナプスは神経伝達物質放出チャネルが局在するシナプス前膜に近接するミトコンドリアや小胞体によって特徴づけられる。さらに最近の研究により、喉に希少に存在する感覚上皮細胞が迷走神経との間にチャネルシナプスを形成することで、咳や嚥下などの気道防御反射を担うことが明らかとなった5。 第2の化学シナプスともいえるチャネルシナプスの生命機能が様々な臓器で明らかとなりつつある。これまでの研究の経緯と最新の知見について紹介したい。
📍 理学部2号館223号室及びZoom