BEGIN:VCALENDAR VERSION:2.0 PRODID:-//chikkutakku.com//RDFCal 1.0//EN X-WR-CALDESC:GoogleカレンダーやiCalendar形式情報を共有シェ アしましょう。近所のイベントから全国のイベントま で今日のイベント検索やスケジュールを決めるならち っくたっく X-WR-CALNAME:ちっくたっく X-WR-TIMEZONE:UTC BEGIN:VEVENT SUMMARY:澁澤龍彥研究会【第三二回】高橋たか子『誘惑者 』における〈少女〉像の変容:日本回帰から悪魔学へ (浜地百恵)(2025年11月1日(土)、14:00~、Zoom) DTSTART;VALUE=DATE:20251031 DTEND;VALUE=DATE:20251101 UID:894022576419 DESCRIPTION:研究会情報です。●公式サイトはこちらhttps:// shibusawaken.blogspot.com/2025/09/blog-post.html--------------------※詳 細は上記サイトをご確認ください。◆発表者   浜地 百恵◆発表題目 高橋たか子『誘惑者』における〈少 女〉像の変容:日本回帰から悪魔学へ◆発表要旨 本 論は、高橋たか子『誘惑者』(1976年)における〈少女 〉像の変容を、1930年代から1970年代に至る思想的・文化 的文脈の交錯のなかで再考するものである。〈少女〉 ・〈火山〉・〈悪魔学〉・〈人形〉といったモチーフ を軸に、本作が描く制度批判と逸脱の構造を明らかに する。 1930年代の「日本回帰」の潮流のなかで、「女 子学生」像は、国家に規定された役割から飛翔しよう とする表象として現れた。その象徴が1933年の三原山自 殺事件である。この「飛翔」は逸脱の夢であると同時 に、猟奇的に報じられ病理化された。『誘惑者』が1950 年を舞台にこの事件を呼び戻すことは、戦後の左翼運 動の高揚と、同時に広がりを見せた「エロ・グロ」的 文化の回帰とを重ね合わせる試みと読める。 こうし た戦前・戦後の系譜に接続するものとして、1960年代以 降のアングラ文化における澁澤龍彦の「悪魔学」があ る。澁澤をモデルとする松澤という人物の登場は、学 生たちにとって規制の概念へのアンチテーゼを提示し 、鳥居哲代を〈少女〉として母性的主体性を放棄しア ブジェクトな存在へと転化させる思想的契機となる。 その変容は、作中に反復される〈人形〉表象や新聞報 道の引用と重ね合わされ、制度的な従属を拒絶する抵 抗の身振りとして描かれる。 さらに思想的背景には 、戦後日本におけるサド受容の問題がある。遠藤周作 がクロソウスキーのサド解釈による母性嫌悪論に懐疑 的であったのに対し、澁澤はそれを積極的に取り入れ 、火山的エロスと結びつけた。『誘惑者』はこの輸入 を背景に、母性不在の不安と少女の自殺願望を「火山 的虚無」として重ね合わせ、逸脱を思想的に支える構 造を構築する。 以上より『誘惑者』は、1930年代「女 子学生」から1970年代「少女」への表象の変容を、三原 山事件・戦後左翼運動・エログロ回帰・澁澤的悪魔学 ・サド受容といった複数の文脈を交差させて描いた作 品である。本発表では、その歴史的・思想的背景を踏 まえ、〈少女〉の逸脱を制度批判の構造として読み解 きたい。◆発表日時 2025年11月1日(土)、14:00~ ご 参加をご希望の方は、Googleフォームよりお申し込みく ださい。(※自動返信しております。返信がない場合 は、メールアドレスの誤入力の可能性がありますので 、お手数をおかけいたしますが、お確かめのうえ再度 お送りください) LOCATION: END:VEVENT END:VCALENDAR